希望

クリスマスおめでとうございます。

 今年のクリスマスは様々な方々とご一緒に迎えます。不幸な事件で徹底的に打ちのめされた方、その傍らには生まれたばかりの小さな命、イエス様がそのようなところに遣わされた救い主であることを改めて告白することは限りない喜びであり恵みです。今年は特に救いについて想いを深める年であるように思います。

 青山の中・高等部時代の友人の牧師が東北で大震災を経験しました。雑誌『信徒の友』12月号(日本キリスト教団出版局)に書かれた原稿の書き出しに「あの晩、空には満天の星が輝いていて、それは見事でしたよ」と書いてくれました。電気が消え、地上のものをすべて失って、失意の中に見上げた空に輝く星がありました。友人は「暗闇の世界を、神様は決してお見捨てにはなりませんでした」と続けています。
  私たち「建学の精神を守る会」は青山学院をおそった「暗闇」を経験しました。その時叫び声を上げて下さった宣教師、宗教主任の先生方に後押しされるようにして会が発足し、今日まで歩んできました。今まで多くの報告をさせて頂きましたが、恵にあふれた奇蹟も与えられ、今日現在、形の上では落ちついたように見えます。しかしそれは大震災にたとえれば、ブルドーザー的に地表を均しただけで多くの方々が本番はこれからだと仰います。これから寒い冬を仮設小屋で過ごします。畑も田んぼもこれからどうなるのでしょうか。失われたものがあまりに多くて心の中の奥深くではまだ暗闇が見えているのではないでしょうか。しかし輝く希望の星だけは見失うまいとがんばっているのだと思います。

 青山学院では、幸い法人の理事はかなり入れ替わりました。おそらく暗黒の時代の独裁的な間違いはもう起こらないでしょう。大震災のケースでは日本中どころか世界中の人々に見守られながら助け合いが生まれました。青山の場合も大勢の方々のお祈りによって、ようやく大きな瓦礫は取り除かれたところまでたどり着きました。そして道が少しずつ整い、やがてそれは真っ直ぐな道になると思います。

 私たちはその道が何処に行く道なのか祈りの中に導きを求めなければならない時期になったことを感じます。ふたたび誤ってはならないその道はどのような道でしょうか。幼稚園の幼児から大学院の学生までのすべてのひと、一番弱い人も一番強い人も手を取りあって歩む道、そしてキリスト教の信仰に基づく教育を求め、全世界の人々が共に歩む道です。その道の先に輝く星を望み見て、信じつつ歩む道です。そのような道が指し示されるように皆さんと共に祈り求めたいと思います。その希望の星が、今迎えようとしているクリスマスに際しますます明るく照り輝いて、私たちを導いて下さるように切に祈り求めたいと思います。

 皆さん、良いクリスマスをお迎え下さい。神様の愛が、私たちの愛してやまない青山学院の上にも、豊かに注がれることをご一緒に祈りましょう。