理事長就任式に参列して

 皆様お元気でお過ごしでしょうか。「建学の精神を守る会」が発足して2年が経ちました。今年は始業式や入学式がつつがなく行われ、新学期が無事始まりました。どの式でも恵みに満ちた言葉が、いつもの青山学院らしい言葉で語られたことを喜ぶ声が聞こえてきます。桜の花がいつもより美しく、青空も輝くようです。
 新年度は42日、まず大学、大学院の入学式から始まりました。そしてその日の午後、新しく理事長に就任された安藤孝四郎氏の就任式が行われました。その式典に参列しましたのでご報告を申し上げます。式次第は末尾をご覧下さい。
式典の模様

 ベリーホール(本部)のチャールズ・オスカー・ミラー記念礼拝堂は満席となり緊張感の中に静かに開式を待ちました。開式に先立ち司式者嶋田順好学院宗教部長は、この就任式が神の摂理であることを厳粛に受け止め、神の恵みが豊かに与えられることを祈り求める旨述べられました。一同による讃美歌、聖書、祈祷の順に礼拝として進められました。
 デイビッド・リーディ宣教師による聖書朗読と祈祷の後、いよいよ誓約となりました。

 司式者:
 「あなたはこのたび青山学院第17代理事長に選任されました。あなたはこれを神の御旨であると信じ、建学の精神を重んじ、寄附行為に則り、主の栄光のために、また幼稚園、初等部、中等部、高等部、女子短期大学、大学、大学院からなる教育研究共同体としての青山学院の誠の刷新と発展のために、至誠と質直をもってその身をこの職に献げる覚悟がありますか。あなたは主の給う恵みによって青山学院理事長として相応しい言行をなし、この務めを忠実に果たすことを約束しますか。」

 安藤理事長:
 「神と会衆の前で謹んで約束いたします。」

引き続き山北宣久院長の式辞がありました。
 「わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい」との聖句をもとに、この日が受難週の始めの日であり、キリストが十字架の苦しみの先に示された愛こそが私たちに与えられている「新しい掟」であること、その愛に生かされて新理事長が神に用いられ祝福が豊かであるように願うとのメッセージを述べられました。

 讃美歌の後、安藤孝四郞新理事長の「就任の辞」は「誓約」の文言をご自身の言葉として確認しながら、静かに話し始められました。
 「選任されたことを、神の御旨と信じ、建学の精神を重んじ、寄附行為に則り、主の栄光のために、青山学院の誠の刷新と発展のために、至誠と質直さをもってその身をこの職に献げる覚悟があるか。主の給う恵みによって青山学院理事長として相応しい言行をなし、この務めを忠実に果たすことを約束するか。・・・誠に重い約束であるが、これを神の御旨と信じる旨、そして誓いのとおり全身全霊をもって務めてまいります」との決意をお述べになりました。
 青山学院の基本については、教育の場であること、その教育が「永久にキリスト教の信仰に基づいて、行われなければならない」との「寄附行為第4条」を強く確認されました。創立以来多くの先人達によって引き継がれてきたこの基本を守ることは、学院の維持運営にかかわるすべての者の責務であるとも述べられました。
そしてご自身の経歴を紹介され、青山学院との関係が創立120周年行事によって卒業後再び深くなったこと、評議員、理事にも選任された経験があること、校友会にもかかわり母校を支える意義を学んだことを述べられました。そして少子化の時代を迎え、学校経営の困難な時代であるが、私学が問われているのはその個性であること、青学らしい学生を社会に送り出すこと、本多庸一先生が求め、述べられたことに学ぶこと、私たち相互の信頼を築く基礎は、教育方針にあるように神の前に真実に、真理を謙虚に探究し、愛と奉仕の精神に生きることであると考える、そしてこの私の決意を皆さんが支えて下さることを切に願うものであると結ばれました。
一同起立して讃美歌を唱和し、司式者の祝祷、そして「神は我がやぐら」の美しい変奏曲の後奏をもって終了しました。安藤理事長の任期は、2012年4月1日から2016年3月31日までとなります。

式典を終えて
 安藤理事長は式辞の中で「建学の精神」という言葉を何度も使われました。青山学院の教育の基本を述べる度に、この言葉が使われたことを私は非常に嬉しく思いました。安藤氏は青山学院が何を間違えたのか充分ご承知ですし、何を基準とし、何をなすべきかはっきり承知していらっしゃいます。そしてそれを実行する力も充分備えられていらっしゃいます。氏は日本で最大の広告代理店で非常に重要な地位まで務めた方ですが、その「電通」で発揮できた力が、「教育の場」でも発揮できることを願わざるを得ません。就任式から丁度10日目の12日、幼稚園の入園式があり、これに先立ち初等部では中村新部長の就任式がありました。その席で氏は初等部生に「理事長って何かわかりますか。理事長というのは初等部の応援団長のことです。ここにいる理事の方々はみんな初等部の応援団です」と述べられたそうです。何とわかりやすい言葉でしょうか。児童にも先生方にも、そして私たちにも良くわかる言葉ですし何よりもその姿勢が嬉しいことです。この言葉は、また私たち自身が理事長に対しても申し上げるべき言葉でもあると思います。私たちがしなければならないことは何一つ変わっていないと思います。つねに祈り求めること、理事長が青山学院のために、神様がお喜びになる道を歩めるように、日々お祈りすることが求められていると思います。山北院長は式辞の中で、「新しい掟」を強調されました。式典で読まれたこの聖句は、ユダの裏切りにあった直後のイエスの言葉です。青山学院が真っ暗闇を経験したあとの今、復活祭の恵みと喜びを知った今、イエスがお命じになった「新しい掟」を守ることが青山学院に課せられている命令であり、その「新しい掟」を守ることこそ新理事長を支えることなのだ、とお述べになったのだと思います。
 青山学院は優れた二人の方を与えられました。そして必ずや神様はそのご用のために、この方々を支え用いて下さると信じます。神様の御旨を聞き、信じて参りたいと思います。私たちに与えられた課題について謙虚に耳を傾けたいと思います。このブログで私はかつて書いたことがあります。「神様の作って下さった素晴らしい教育の場を勝手放題に汚した私たちの仕業は、神様の目からご覧になればソドムやゴモラと五十歩百歩程度の違いかもしれない。私たちはそのような状況と危機一髪の距離にいる自覚が必要だと思う。」神様から一瞬でも目を離したらその瞬間、再び同じ間違えを繰り返すのが人の習わしです。もう一度繰り返しますが常に祈り続けたいと思います。



ご報告
 さて、「建学の精神を守る会」を一時休会にしたいと思います。何故「休会」なのでしょうか。体制が整ったのは表面ばかりでなく、内容的にも「院長」に引き続き「理事長」が選任され職務に励まれることがはっきりしました。「建学の精神を守る会」は発足当時の事情で、20名の方々が呼びかけ人となり、学内外から約500人の賛同者を経て運営されてきました。まだ多くの課題を抱えているとはいえ、建学の精神を堅持しようとする理事長、院長が就任され、学院執行部の体制が一新されたことにより、この会としては当初の目的を達成することができました。そのため実質的にはもう解散してもよいと考えますし、会長ももっと実力のある方に代わって頂きたいと思います。しかしながら、しばらくは油断してはならないとのご指摘もあります。何かあったときの備えとしてしばらく休会状態にして、いつでも立ち上がれる体制を残すことは必要かもしれません。火急の際はご一報下さい。なにとぞ諸事情をご賢察の上、お祈りの中に覚え続けて下さい。皆様、本当にありがとうございました。 

 - - - - - - - - - - -


2012年4月2日 チャールズ・オスカー・ミラー記念礼拝堂(本部礼拝堂)で行われた理事長就任式の式次第は下記の通りです。

式 次 第

司式 学院宗教部長   嶋田順好
奏楽 大学オルガニスト 坂戸真美

  前  奏
  招  詞
  讃美歌     11番             一 同
  聖  書    ヨハネによる福音書 第13章34~35節
  祈  祷         学院宣教師  David W. Reedy
  誓  約         理事長    安藤孝四郎
               学院宗教部長 嶋田順好
  式  辞         院 長    山北宣久
  讃美歌     267番             一 同
  就任の辞        理事長  安藤孝四郎 
  讃美歌     338番             一 同
  祝  祷
  後  奏